
シュランダース Schlanders(シランドロ Silandro)駅からマルス Mals(マッレス Malles)行きの列車に乗り、3駅目のシュポンディニック Spondinig(スポンディーニャ Spondigna)駅で下車します。ヴェノスタ谷鉄道の駅舎は何処もちょっとレトロな感じになっています。

シュポンディニック駅前で待機しているバスに乗り込み、更にシュティルフス Stilfs(ステルヴィオ Stelvio)村で別のバスに乗り換えて、ステルヴィオ峠 Passo dello Stelvio(シュティルフサーヨッホ Stilfserjoch、海抜2,758m)に到着しました。写真左が乗ってきたバスですが、右にはスイスのポストバスが。行先表示を見ると、何とティラーノ。ミュスタイル修道院からボルミオ経由でティラーノまで運行しているポストバス路線があるんですね(1日1往復で夏期だけのようですが)。

ステルヴィオ峠には10年前と変わらず土産物屋や焼きソーセージの屋台が並び、オートバイや自転車で上ってきた人々が沢山いました。オルトラー山(3,905m)が間近に聳え、写真右後方の建物はチベット小屋 Tibet Hütte です。

ステルヴィオ峠の南側に建つ礼拝堂。入口の石垣に自転車競技界の英雄、アンジェロ・ファウスト・コッピのレリーフがありました。

礼拝堂前から見下ろすステルヴィオ峠。先ずは峠の北側に見えるチーマ・ガリバルディ Cima Garibaldi(ドライシュプラーヘンシュピッツェ Dreisprachenspitze)に登ります。

登り道の途中から眺めるオルトラー山(写真右上)。手前はバスで上ってきた道です。ヘアピンカーブが約50回もあり、ドライバーの運転技術に感心しました。貸アパートからもらったゲストカードでここまでのバス代が無料になるというのも素晴らしいです。

チーマ・ガリバルディ山頂(2,843m)にはガリバルディ小屋 Rifugio Garibaldi が建っています。

ここには10年前にも来ました。スイスとの国境になっているため、両国の国旗が掲げられています。

山頂の砦の跡から見下ろすステルヴィオ峠。写真左上のナグラーシュピッツェ(チーマ・デル・キオード)の肩へロープウェイが上っていますが、今回も乗りませんでした。写真右上の頂はモンテ・スコルルッツォです。

モンテ・スコルルッツォの右肩に覗くベルニナ・アルプス。右がピッツ・ベルニナ、左がピッツ・パリュです。

イタリア・スイス国境の礎石。僅か数歩ですが3年ぶりのスイス入国を果たしました(笑)。

北側に望むレートルシュピッツ(プンタ・ローザ/ピッツ・コッチェン)。10年前はこの山に登りました。今回も手前のブライトカム Breitkamm(クレスタ・ラルガ Cresta Larga)という幅広の尾根を写真右奥の方向へ歩いて行きます。

レートルシュピッツの左にはスイス・オーストリア国境のシルヴレッタ連峰の東部が遠望できました。右がフルクトホルン(ピッツ・フェンガ)で、左奥がアウクステンベルク(ピッツ・ブライシュ・ルンガ)です。

北東方向へ続く20番のハイキングコースに入ります。オルトラー山群を右手に眺めながら緩やかに下って行く快適なトラバース道です。

道端の草花も楽しめました。こちらはウサギギク。

氷河キンポウゲ(ラヌンクルス・グラキアリス)

マーガレット(レウカンテモプシス・アルピーナ)

サクシフラーガ

ゴルトゼー Goldsee(ラーゴ・ドーロ Lago d'Oro)を通過。思ったより小ぶりな湖で、湖畔へ下らなかったこともあってか、意外にショボい印象でした。

第一次世界大戦中のオーストリア軍の野営地跡がところどころに残っています。

振り返ってステルヴィオ峠を撮った写真。

タルチャーコップフ(モンテ・ディ・タッレス、写真右)の山腹をトラバースしていきます。

草原には羊が放牧されていました。

残雪を渡るところが3ヶ所ありましたが、問題ありませんでした。ガレ場のトラバースを予想してストックを持ってきましたけど、カミさんも私も使わずに歩き通せました。ガレていない場所を選んで休憩し、山々を眺めつつ、いつもの手作りサンドウィッチを食べました。

行く手にもオーストリア国境方面(エッツターラー・アルペン)の高峰が遠望できました。これはヴァイスクーゲル(パッラ・ビアンカ)。

こちらはシミラウン。その右の尖峰はヒンテレ・シュヴェルツェ(チーマ・ネーラ)です。

トゥルースの尾根を回り込むと…

行く手に本日のゴール地点であるフルケル(フォルコラ)小屋 Furkelhütte / Rifugio Forcola が見えました(写真中央)。その右背後の谷底がバスに乗り換えたシュポンディニック駅で、写真右端手前の谷底はバスで通ってきたゴマゴイ村 Gomagoi です。後方の白峰は左がヴァイスクーゲル、右がシミラウン。

フルケル小屋に到着。ステルヴィオ峠からここまで休憩時間を除いて3時間弱でした。テラス席で休憩しようかと思いましたが、混み合っていて日向の席しか空いていなかったうえ、スタッフが少なくオーダーに時間が掛かりそうだったので諦めました。

フルケル小屋に隣接した乗場からチェアリフトでトラフォイ村 Trafoi へ下ります。ウェブサイトには下り片道1人11.50ユーロとありましたが、50ユーロ札を出すと28ユーロお釣りが来ました。このリフトは長くて、下りでも乗り甲斐がある感じでした。

トラフォイ村の教区教会。

教区教会の内部。ここの主祭壇も幼子イエスを抱いた聖母マリアでした。

教会の近くに建つホテル「ベッラ・ヴィスタ Bella Vista(シェーネ・アウスジヒト Schöne Aussicht)」。右の壁に「(スキー選手の)グスタフ・テーニ(グスタヴォ・トエニ)の生家」と書かれています。

ホテル「ベッラ・ヴィスタ」の裏手にビジターセンターがありましたが、月曜の今日は休館でした。
近くの停留所から往路と同じバスに乗り込んで帰路につきました。
終日の好天に恵まれ、ハイキングコースも歩きやすくて、カミさんにも褒められた一日でした。
【ヴェノスタ谷(イタリア)の最新記事】
『最近の記事:ステルヴィオ峠へ』の記載があったので、もうそれだけで興奮気味の私です。(ベッドの中でスマホを観ました。)いつも朝のルーティーンをこなしてから再度ゆっくり見ています。朝ごはん作り→夫と息子を送り出す→娘のお弁当作り→娘を起こす(1時間半くらいかけて数十回も声をかけないと起きられません。1階⇔2階の寝室を数十回も往復するのは嫌気がさしますが、登山トレーニング?と思って気持ちを保っています。)→娘、朝食→登校→洗濯物を干す→さぁ!やっと癒しの時間の始まりですー。
シュランダース駅のノスタルジックな佇まいに、先ずはノックダウン。(1回目)そしてステルヴィオ峠での黄色いバズ!あーーースイスのポストバス!!!と叫んでしまいました。(ノックダウン2回目)そうですかーーー。ミュスタイル修道院→ティラーノ便なんて、そんな素晴らしい路線があるなんて!ステルヴィオ峠周辺の村→ティラーノ→(ベルニナ線で)サンモリッツへ……の移動も可能ですね。(移動と言うには絶景過ぎますけれど。笑)私も『ステルヴィオ峠』には必ず行こう(笑)と決めています。絶景という言葉ではおさまらないスケールですよね、きっとー。和田様ご一行もこのステルヴィオ峠にいらしていますよね。ユーチューブを何度見てもため息が出るくらい憧れの地です。
和田様のYouTubeはコレです。↓↓↓ おーと様のblog×和田様のYouTubeで大満足間違いありません。
https://youtu.be/1IRdBlfS0Bo
180709 TWV38 Engadin (8) Stelvio峠 15分55秒
(いつも勝手に掲示板から転載してしまって、すみません。)
それにしてもこのヘアピンカーブはもの凄いですね。50回もカーブがあるのですね。(酔いそうです)そして、ゲストカードで無料というのも嬉しいですね。ガリバルディ小屋からはどのハイキングコースかなぁ〜とワクワクしておりましたら。『20番』の記載が!あーーーっ!!!このコースは、一番魅力を感じていたのです。『ゴールドシー レイク トレイル/ゴールドシーウェグ』なんて素敵なネーミングも付いていて……Ortler観光局のHPを眺めていて惹きつけられたコースです。
コースの紹介ページ↓↓↓
https://www.vinschgau.net/en/ortles-holiday-area/mountain-holidays/hiking-mountain-tours/tips-for-hiking/16806798-goldsee-lake-trail-goldseeweg.html#detail
あぁぁぁぁぁぁーーー!おーと様ご夫妻が羨ましいです。このコース奥様に100点満点(200点満点!)をいただいたのですね。良かったですね〜。私まで嬉しくなりました。峠にはホテルがいくつも建っていて、このように素晴らしい場所で宿泊出来たら……と考え(妄想)始めると、現実に戻れなくなります。バス停からから350mほど歩きますが、外観もアールを描きヒュッテ内も2020年に改装されたみたいで、お部屋はピッカピカでした。ダブル、トリプルルーム、大部屋など多様なニーズにも応えているようです。
http://www.tibet-stelvio.com/
おーと様!絶好なハイキング日和で、本当に良かったです。お天気次第ですものねーーー。先ほどお弁当を作っていて(オムライス)異様に暑いので温度計を見ましたら……何と!『33.8度』と表示されていました。フライパンを使っての調理なので仕方がありませんが、倒れそうになりました。おーと様〜涼やか&爽やかな風をパソコンで送信してください。
今日はどこへ行くのかしら〜。ワクワク
なおなおさまが目をつけられていたチベット小屋は半世紀以上前に建てられたものですが、内部が改装されてるんですね。10年前も今回も立ち寄りませんでしたが、行ってみれば良かったですね。
東京は猛暑のようなので、どうぞご自愛くださいませ。昨日は当地も谷底へ戻ってきたら暑かったです(といっても東京とは気温のレベルも湿度も違いますが…)。アパートの中は比較的涼しく、帰宅して飲んだビールが旨かったです。
今日はカミさんに褒められてーーーー。
他の友人もカミさんと呼ぶ人ありますが、私は敬意を込めた良い響きで聴いております。(仲が良いのですよね。)
ステルヴィオ峠て、三言語の山とか?自転車競技のロードレース大会でも有名なところなんですね。あのヘアーピンカーブは参加者の泣きどころ?かもしれないですね。
ゲストカードで移動が無料なんて余計に行きたくなります。雨が降ってもゴンドラ往復レストランでお茶を飲んだりとか、一日中動かない日を作らないで済むしね。
下山のチェアリフトでトラフォイ村へ、長いリフトは深い森の雰囲気オーストリアとスイスの国境サムナウンに似ており思い出しましたその日。国境て思わないで、写真を取つて頂きましたところ、後で見たらちゃんと2国旗が入る様の写って居りました。
此処のブログ、即画像で見られてライブ感覚が良いし又和田様の今日の軌跡等よく分かります。
「娘を起こす」何十年前かな?起こしに行くと「起きている」言うのですが中々降りてこないのです。男の子は大丈夫でしたが。何だかあの頃が懐かしいです。
南チロル州に滞在すると、滞在期間中は州内(正確にはボルツァーノ自治県内またはトレンティーノ自治県内)の鉄道やバスが乗り放題になり、これはメリットが大きいです。但し、ロープウェイ類は住民の移動用に設置されたものしか無料になりません(スキーやハイキング用に運行されているものは対象外です)のでご注意くださいませ。
こんにちは。そうなんです。「起きてる〜!」からがまた長いですよね。我が娘はてんかん発作があるからなのか、眠りかけと寝起きの機嫌が極端に(異様に)悪くてかなり不機嫌なのです。自覚症状のない時が多いのですが、「起きてる〜!」に至るまでも時間がかかって……。脳波が関係しているのか、4〜5年前は地獄のような毎朝でした。時には不機嫌な娘に唾を吐きかけられ(半覚醒の状態)出勤前なのにシャワーを浴び直す……なんてことも何度もありました。(涙)SS様のお宅同様、息子は一声「朝だよ〜。」ですぐに起きてくれます。
念願のStelvio峠再挑戦、良い天気でよかったですね。なおなお様が態々再掲して下さったように我々も4年前に楽しみました。但し、歩いたのは極僅かですが・・・コメントが遅くなりましたが、最低限の軌跡を載せます。偶々スイスに入ったのでSwiss Topoの地図が使えましたので最後に載せました。
https://youtu.be/i86bzTzKmrY
やはりスイスの地図は美しくて分かりやすいですよね。他の国では無料で使えるウェブ地図がスイスほど詳しくありません。我が家が愛用しているコンパス社の地図も、有料バージョンは日本から契約できないようで、残念に思ってます(会社に直接問い合わせれば契約させてもらえるかも知れませんが…)。
和田達と4年前にステルヴィオに行きました。
あそこから見えるオルトレスが好きです。昨年2月には北のオーストリアサーファウススキーエリアのPezid2770mから南にオルトレスを望みました。
トラフォイは嘗てのイタリアアルペンスキーの英雄グスタフ・トエニの出身地で今もここでホテルを経営しているようです。すぐ話がスキーになって御免んさい。
ステルヴィオ峠付近から眺めるオルトラー(オルトレス)、良いですよね〜。我が家も10年ぶりにこのお姿を拝めて満足しました。
ゼルファウス付近のスキー場からもオルトラーが見えるんですね。昨年2月ですかぁ。コロナ蔓延前の最後のグッド・タイミングでしたね。我が家もゼルファウスから谷底へ下ったリート・イム・オーバーインタールという村に昨年9月に滞在予定でしたが、あえなくキャンセルすることになってしまいました。アパート代が安くて楽しみにしていたので、2〜3年以内には改めて滞在を実現したいところです。
グスタフ・トエニ氏がトラフォイ村で経営しているホテルって、「ベッラ・ヴィスタ(シェーネ・アウスジヒト)」ですよね? 写真を載せた教会の近くにある立派なホテルで、壁に「グスタフ・トエニの生家」と大きく書かれていました。そこでお茶でもしようかと思ったんですが、テラス席が無く、ハイキング帰りの汚い身なりで中へ入るのが憚られたので見送った次第です。
また苦手のスキーの話で御免なさい。
トエニと言えば有名選手が経営するホテルが結構ありますね。私が見かけたのはボルミオから東のフォルニ谷に有るサンタカテリーナにはイタリアを代表する往年の女子アルペンの女王デボラ・コンパニオーニの、スイスのザース・アルマゲルには往年のワールドチャンピオン ピルミン・ツールブリッゲンのホテルが有りました。