2021年07月24日

シュナルス谷の奥へ

雨天だったら貸アパート内で東京オリンピック開会式の生中継放送を観ようと思ってましたが、終日晴天との予報のため出掛けることになりました(明日から数日間は不安定なお天気になるらしいです)。
行先はオーストリアとの国境に近い、シュナルス(セナーレス)谷 Schnalstal / Val Senales の奥です。8時台の出発ではバスへの乗り継ぎが上手くいかないので、頑張って7時台のメラーノ Merano 行き列車に乗りました。

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ナトゥルンス Naturns(ナトゥールノ Naturno)駅で下車してバスに乗り換え、9時少し前に終点のクルツラス Kurzras(マーゾ・コルト Maso Corto)に到着しました。礼拝堂の右に見えているのがバス停です。
途中でバスが立ち寄ったカルトハウス Karthaus(チェルトーザ Certosa)村も良さそうな雰囲気でしたが、その手前にあったカタリーナベルク Katharinaberg(モンテ・サンタ・カテリーナ Monte Santa Caterina)村が絶壁の上にあって印象的でした。
さて、先ずはロープウェイに乗って…と思ったら、10時からの運行でした。ラツァウン Lazaun 行きのゴンドラリフトも同じ。アパートを出る前にウェブサイトをチェックした筈が、料金ばかり気にしていて見落としたようです。相変わらず詰めが甘い…。

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1時間待っているのもつまらないので、「ラツァウン小屋 Lazaunhütte / Baita Lazaun まで徒歩1時間半」との案内標識を見て、歩いて登ることにしました。11番のハイキングコースで登るつもりが、間違って車道を進んでしまいました。でも却って歩きやすくて良かったです。

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道端にロートゥス・アルピーヌスが沢山咲いていました。

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山上駅の近くまで登ったところでゴンドラが動き出し、その直後にマウンテンカートに乗って下る小父さんと擦れ違いました。ラツァウン小屋前からマウンテンカートで下るアトラクションが人気みたいです。

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1時間余りでゴンドラリフトの山上駅に隣接したラツァウン小屋に到着。

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山上駅の少し北に眺望の良い丘がありました。立っているのは聖マルティヌスを描いた素朴な祠のようです。その右後方の峰はシュヴェムザー・シュピッツェ(プンタ・ドベレッテス)で、その右に覗いている頭がヴァイスクーゲル(パッラ・ビアンカ)です。

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聖マルティヌスの丘の西側に池があり、その畔が良い雰囲気でした。正面の峰はラガウンシュピッツェです。

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「11A」のハイキングコースで谷の奥を周回しながらクルツラスへ下ることにしました。ラツァウン・アルペ Lazaun Alpe の湿原の縁を歩いて行きます。

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この辺りは「これぞヨーロッパアルプスの散策路」と思わせる、気持ちの良い道でした。写真右がロープウェイの通じているグラヴァント山 Grawand(クローダ・デッレ・コルナッキエ Croda delle Cornacchie)、左の尖峰がシュタインシュラークシュピッツェ(プンタ・デッレ・フラーネ)で、中央奥の稜線上に点のように見えているのがシェーネ・アウスジヒト(ベッラヴィスタ)小屋です。

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シェーネ・アウスジヒト小屋のズームアップ。

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1番のコースに合流し、渓流沿いを下ります。谷奥を眺めながら休めるようにベンチが設置してありました。

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クルツラスに建つ大型ホテル「ブルー・ホテル・セナーレス Blu Hotel Senales」の裏手まで下ってきたところです。

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ラツァウン小屋から1時間半弱でクルツラスまで下ってきました。1人27ユーロの往復切符を買い、いよいよグラヴァント山行きのロープウェイに乗り込みます。

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ロープウェイから見下ろすクルツラスのホテル群(写真下端)。写真中央のスキーコースの上部に見える平原が歩いてきたラツァウン・アルペです。

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先ずはロープウェイ山上駅に併設されたホテルの広いレストランで昼食をいただきました。写真のテラス席は目いっぱい日向なので、屋内席へ。

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子牛肉のヴィーナー・シュニッツェルと白ビールをオーダー。料理は1人前を2人で食べても多過ぎるくらいでした。リーズナブルに食べられて満足でした。

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お腹が満たされたところで、グラヴァントの山頂へ登ります。ロープウェイ駅との標高差は僅か40m。写真左はホッホヨッホ氷河の最上部ですが、融解抑止のためでしょうか、白いカバーが掛けられていました。

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石畳の先には立派な鉄階段が設置されていて危険は全くありません。空気が薄いので10段上る度に小休止、って感じでしたが、それでも10分ほどで山頂展望台まで登れました。

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グラヴァント山頂から西に見下ろすロープウェイの山上駅。背後の峰は左がシュヴェムザー・シュピッツェ、中央がヴァイスクーゲル、その右隣にラングタウフェラー・シュピッツェ(プンタ・ディ・ヴァッレルンガ)、その更に右奥の白い頭がヴァイスゼーシュピッツェ(チーマ・デル・ラーゴ・ビアンコ)です。

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ヴァイスクーゲルのズームアップ。クルツラスやラツァウン・アルペからは前山に遮られてよく見えなかったので、スッキリ眺められて満足しました。右のラングタウフェラー・シュピッツェの下方へ延びている手前の尾根がグラウエ・ヴァント Graue Wand(クローダ・グリージャ Croda Grigia)です。

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グラヴァント山頂から北に眺めるホッホヨッホ氷河。この氷河もそのうち消滅してしまう運命なんでしょうか。後方に並んでいるのはオーストリア領のエッツターラー・アルペンで、中央右寄りが最高峰のヴィルトシュピッツェ、左の白峰がホッホフェルナークトシュピッツェです。

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ヴィルトシュピッツェのズームアップ。その左は手前にフォルデラー・ブロックコーゲルを挟んでヒンテラー・ブロックコーゲル、更にフェルナークト氷河を纏ったペーターゼンシュピッツェ。写真右奥の峰はヴァイサー・コーゲルで、その下方はフェント谷の上流にあたるローフェン谷です。

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ローフェン谷の下流方向にはシュトゥーバイアー・アルペンのシュランコーゲルも遠望できています。

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グラヴァント山頂展望台は「エッツィ・ピーク Ötzi Peak」と名付けられています。5,300年前のミイラ遺体「エッツィ(アイスマン)」が発見されてから今年で30周年なんだそうです。「エッツィ」の発見場所の方向(東側)に透明柵の展望所が張り出しています。

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東に望むフィナイルシュピッツェ(プンタ・ディ・フィナーレ、写真中央)の右肩辺りが「エッツィ」の発見場所だと思います。展望台の解説板に「only a few meters from here」と書かれていて笑ってしまいました(何メートルまで「a few」なんだろう…)。写真右奥はシミラウン山です。

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シミラウン山のズームアップ。その左奥はマルツェルシュピッツェン連峰を挟んでヒンテレ・シュヴェルツェ(チーマ・ネーラ)です。

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ロープウェイ駅へ戻り、山頂とは反対側にあるグラウエ・ヴァントの尾根へ行ってみることにしました。建物の中を通らないと西側へ行けないので、建物内に案内標識が立っています。

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レストランのテラス付近から南西側に見下ろすシュナルス谷。写真右上がラガウンシュピッツェ、左上後方がオルトラー山群ですが、光線の具合が悪く霞んでいます。

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グラウエ・ヴァントの尾根から振り返って撮ったグラヴァント山(写真左上)。左下へ下っているのはシェーネ・アウスジヒト小屋を経由してクルツラス方面へ下山する道です。

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グラウエ・ヴァントには写真のモニュメントが設置されていましたが、ちょっと意味不明でした。

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尾根の突端で寛ぐ人々。ロープウェイ駅からここまで片道10分余りでした。左の眼下にシェーネ・アウスジヒト小屋が見えています。

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シェーネ・アウスジヒト小屋のズームアップ。意外にも周辺には残雪が殆ど無く、広い道が続いているように見えたので、カミさんも「これなら歩いて下れたかもね」と言ってました。まぁ、遠くから見ただけじゃ、道の状態は分かりませんけどね。歩いているハイカーは沢山いました。

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ロープウェイでクルツラスへ下り、15時過ぎのバスに乗って帰りましたが、途中のフェルナークト(ヴェルナーゴ)人造湖畔 Vernagt Stausee / Lago di Vernago の停留所から20人超の団体ハイカーが乗り込んできて、通路もいっぱいの満員バスとなりました。トレンティーノ自治県のバスは乗客制限をするのに、ボルツァーノ自治県のバスは満員通過をしない方針のようです。乗降に時間を要したため、ナトゥルンス駅で予定の列車に乗り継げず、次の列車まで駅のベンチで30分待ちとなりました。

posted by おーと at 06:41| Comment(14) | ヴェノスタ谷(イタリア)
この記事へのコメント
おーと様
Schnals谷奥の秘境散策、ロープウェイの時間が待てなくて500mをスイスイ登ってしまう体力は素晴らしいです。軌跡を辿ろうとしたのですが、Lazaun小屋への上りに歩道(11番)でなくて車道を通られたとありましたが、私の地図には11番の表記がないのですが、下記の図で言うと、登りに使われた道はRennpisteL1なのか、その北側の車道?という白い道(下り専用の→あり)か、歩道とロープウェイの間の表記の無いピンクの路でしょうか?下りは11Aと1番は判ります。
https://drive.google.com/file/d/1hVYmpLdj-k05_p7gzPn1PbeShN_HcjSX/view?usp=sharing

後半の軌跡は簡単なので、ここだけが問題になります。(大した問題ではありませんが)
ところで、GrawandからのWeisskugelは見事なながめですが、Otzi発見の地点はどうやら展望台から32m程度(only a few meter)のようです。ご検討をお願いします。
Posted by 和田 力 at 2021年07月24日 10:20
おーと様
済みません。Otzi発見地点に関する先ほどの私のコメントは撤回します。色々と調べたら発見地点はおーと様のおっしゃる通りのようです。
Posted by 和田 力 at 2021年07月24日 11:35
和田力さま、リンクを貼っていただきました地図で「上り歩道」とお書きの道が、本来歩くつもりだった11番のコースです。実際に歩いたのは、「車道?」とお書きいただいている「白い道」です。ラツァウン・アルプへ仕事に向かう地元の方々の車が行き来していました。「下り専用」はマウンテンカートのことなんでしょうか、それとも冬のソリ滑りコース?
エッツィの発見場所は、山頂の解説板にも「ティーゼンヨッホ」と書かれていたので、発見地モニュメントが設置されている場所だと判断しましたけど、山頂展望台の近く(32m先)にも何か所縁があるんでしょうか? 気になります〜。
Posted by おーと at 2021年07月24日 13:38
山頂の解説板を撮ってきた写真を見返しましたら、フィナイルシュピッツェも「only a few metres」の先に見えると書いてありました。3q程度は「a few」メートルの範囲内ってことみたいです。「kilo」が抜けてると思いますけどねぇ。
Posted by おーと at 2021年07月24日 13:49
おーと様
Lazaunの上り道の説明ありがとうございました。
それに従って作ります。Otziの話は以前に聞いたことはありますが、その現場にいらしたとは!!
Posted by 和田 力 at 2021年07月24日 15:28
おーと様
軌跡を作りました。一つだけ、Peak Visorと言うもので見かけた山の図を入れましたが・・・・
https://youtu.be/ezRaNeWdK2Y
Posted by 和田 力 at 2021年07月24日 22:39
和田力さま、毎度の行程動画制作、ありがとうございます! 今回も完璧で、感激いたしました。
グラヴァント山頂からドロミーティの山々が見えるんですね。東南東方向ですからシミラウン山の右辺りになるかと思いますが、この日はその方角だけ雲が多く、遠くの峰々は見えませんでした。オルトラー山群は辛うじて見えましたが意外に遠めで、霞んでいて印象は薄かったです。
Posted by おーと at 2021年07月25日 01:50
おーと様 和田さまおはようございます。
行動動画分かりやすく嬉しいです。有難うございます。
エッツイの発見場所、私12年にシミラウンヒュツテに泊まり行きました。モ二ユメント建っております。もう発見から30年になるんですね。
その時イタリア側から下りられたら?と思いました。しかし私には情報がありませんでしたから。又ミュンヘンで娘と待ち合わせもありましたので。
このコース実のところチロルの雰囲気に何だか身近に感じます。何故だか分かりませんが。
Posted by ss at 2021年07月25日 09:00
ssさま、シミラウン小屋からフェルナークト湖畔のバス停までは3時間以内で下れそうです(↓)。エッツタール側からのアクセスよりも短いと思います。
https://www.almenrausch.at/touren/detail/similaunhuette-3019-m-von-vernagt/
この日、フェルナークト湖畔から乗り込んできた団体は全員が大きな荷物を抱えていましたので、シミラウン小屋に泊まって下りて来た方々だろうと推測しました。
Posted by おーと at 2021年07月25日 14:27
おーと様、和田さん
も―吃驚しました。
何んと私が聞いた事ない大スケールのスキーエリアがここに有ろうとは!!
フェロースキートラベル等の旅行社も全くノータッチの処女地です(日本人には)グラヴァント北の氷河を挟んで両側にスキーリフトが見えます。と言うことは氷河上もピステになると言うことです。行って見たくなりました。
Posted by Nick at 2021年09月03日 14:53
Nickさま、シュナルス谷は滞在計画を見送られたズルデン村からもそう遠くありませんので、組み合わせてプランを練ってみられては如何でしょうか。山上からの景色はズルデンほどではないかも知れませんが、おっしゃるとおりスキーゲレンデとしてはそこそこ広々としていてお楽しみいただけそうな気がします。
Posted by おーと at 2021年09月03日 16:26
おーと様
ありがとうございます。
なおなお様では有りませんが妄想が浮かんでワクワクしますね。
Posted by Nick at 2021年09月03日 17:04
Nick様へ
Nick様も私と同じ『妄想虫』が体の中に寄生していらっしゃるようですね…。(笑)ズルデン村、凄く気に入ってしまいまして、既に泊まるアパートも目星をつけてしまいました。(苦笑)
http://www.chalet-emma.com/
ここの『アパートメントE』に泊まる計画です。(オルトラーがテラスから見えるらしいです。)
そして、これがグラヴァンドグレッシャーのスキーエリア(一角)です!
https://goo.gl/maps/bStPgZt8tdX6Viwn8
広大過ぎて怖いほどです。Nick様はゾクゾクと『滑りたい虫』がうごめいていらっしゃることでしょう!
Posted by なおなお at 2021年09月03日 17:46
写真を21枚追加しました。
Posted by おーと at 2021年10月23日 23:19
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