前日にツィラーターラー・アルペンの峰々を眺められたので、もう少し近づきたくなり、オーストリアとの国境の峠を目指しました。

ブリクセン Brixen(ブレッサノーネ Bressanone)駅からブレンナー Brenner(ブレンネロ Brennero)峠方面行きの電車に乗り、写真のシュテルツィング Sterzing(ヴィピテーノ Vipiteno)駅で下車。駅前からプフィッチ(ヴィッツェ)谷 Pfitschertal / Val di Vizze 行きのバスに乗り換えます。

終点バス停のアンガーヘーフェ Angerhöfe で下車。先ずは北側の上手にあるシュタイン Stein(サッソ Sasso)の集落へ向かうつもりでしたが、プフィッチャーバッハ川 Pfitscherbach の左岸(南側)に沿って谷奥へ向かう遊歩道があり、そちらを進んでも峠へ行ける旨の案内標識があったので入ってみました。

歩き出してすぐ滝を眺められる場所があるなど、気分良くスタートしたものの、先日の大雨の影響でしょうか、遊歩道が川の流れにえぐられた箇所があったり、右岸へ渡ったところからシュタインへ向かう道が(案内標識が無く)分からなかったりして、難航しました。右岸へ渡った後は少し下流へ戻ってから車道で登るべきだったと思います。

シュタインから3番のハイキングコースで登る予定でしたが、結局シュタインには行き着かず、大きく蛇行する1番のハイキングコース(ダートの車道)で遠回りして登る羽目になりました。今日は朝から気温が高く、標高1,400m台の低い場所をウロウロしたため暑さに参ってしまい、時間と体力を大きくロスしました。1つ目のカーブを経て戻って来た場所から3番のハイキングコースへ入り直そうと思いましたが、途中のアルツバッハ川 Arzbach が増水していて渡れず断念。ホッホファイラー小屋への登山道が分岐する2つ目のカーブも通り過ぎてから、ようやく3番のコースに入れました。

森林限界を超え、西側にプフィッチ谷を一望できるようになってきました。

谷の南側に聳えるプレッツェンシュピッツ。その左に見えるグリーダー谷を左奥へ遡った先にホッホファイラー小屋があります。

南東方向に氷河を抱いた山塊が全容を現してきました。中央がフォルデラー・ヴァイスシュピッツ、左がヒンテラー・ヴァイスシュピッツで、その左奥に覗いているのがホッホフェルナー(3,470m)です。

写真右上の峠に向けて最後の登り。写真左の高峰もオーストリア国境に位置するホーエ・ヴァント(クローダ・アルタ)です。

行く手に見えていた建物が峠の山小屋かと思ったら、兵舎の遺構?でガッカリしましたが…

その直後、プフィッチャーヨッホ(ヴィッツェ峠)小屋 Pfitscherjoch-Haus / Rifugio Passo di Vizze に到着しました。アンガーヘーフェから2時間40分ほどかかりました。

山小屋の前には池がありました。

山小屋から数分歩いた先がオーストリアとの国境です。国境のイタリア側に管理棟らしきものが建っていますが、無人のようでした。建物の背後の山はシュランマッハーで、その左がシュタンプフル氷河です。

国境の礎石と、その背後に「オーストリア共和国」の看板。オーストリアのツィラータール側から登ってくるハイカーも多く、皆さんここで記念写真を撮っていました。

国境管理棟?の向かい(イタリア側)には「ヴィンターラウム Winterraum(=冬の小屋)」と書かれた建物もありました(写真右上)。左奥の山はロートバッハルシュピッツェ(クローダ・ロッサ)です。

オーストリア領内へ少しだけ下ってみました。下り道の先にラヴィッツアルム小屋とシュレガイス人造湖が見えます。写真左上の峰はトゥクス谷からロープウェイが通じているゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンで、その右はホーアー・リフラーです。

ラヴィッツアルム小屋(写真右)とシュレガイス人造湖のダム(左上)のズームアップ。

国境付近から北西側に望むシュタンプフル氷河。氷河の末端は後退して岩のように見えます。左上の峰がホーエ・ヴァントで、右上がシュランマッハーです。

プフィッチ峠の周辺には多数の池が点在しています。

池の周辺にも国境の礎石が幾つもあり、そのうちの1つの脇に座って持参した手作りサンドウィッチを食べました。私は折角なのでオーストリア側に、カミさんは国境線上に座りました(笑)。

人懐っこい牛が放牧されている池の畔を周回してプフィッチャーヨッホ小屋(写真左上)へ戻りました。

山小屋で飲み物でもいただこうかと思いましたが、テラス席は満席、セルフサービスの注文カウンターも行列ができていたので、トイレだけお借りしました。

山小屋の前には小さな礼拝堂が建ち、その脇にもテラス席が並んでいます。

帰路は4番のハイキングコースで西寄りに下ります。この道は歩く人が比較的少ないためか、余り荒れていなくて歩きやすかったです。

グリープルアルム方面へトラバースを続ける「4A」のコースとの分岐点。4番のコースはここから谷底を目指して南へ下ります。

往路で3番のコースに入った地点から、3番のコースに合流して下り、シュタインの集落に出ました。プフィッチャーヨッホ小屋から約1時間半で到着しました。

シュタインの集落には2軒ほどレストランがあります。以前はここまで路線バスが上ってきていたようなんですが、今は更に20分ほど下らなければなりません。

アンガーヘーフェのバス停から往路と同じ経路でブリクセンの貸アパートへ戻りました。アンガーヘーフェ停留所に貼ってあったポスターによれば、ここからプフィッチ峠までシャトルタクシーが運行されているようです。但し、早い時間帯の午前2便と午後遅くの1便だけなので、プフィッチ谷に滞在するか峠の山小屋に泊まらないと利用しづらい感じです。
【ブリクセン(イタリア)の最新記事】
今日は雨でこんなに涼しい朝は最近では珍しいです。お陰でよく眠れました。
ヴィビテ―ノで御乗換えになったそうで、この町もイタリアで最も美しい町に選ばれているそうで、お天気が悪ければ町の散策も、1868年火災によりの古い街並みと新しい街並みが共存して博物館もあり見どころ満載かもしれません。
所でおーと様が歩かれた滝ですが、スタンゲ渓谷の一部でしょうか?増水により迂回等ありも地図が頭に入りおーと様の事ですからもとに戻れる技も持ち合わせて居られて
、長時間お歩きになられ、凄いです。(毎日々ハイキング出来る計画力と体力)
国境、二人で思い思いの理由で座り、少しオチャメな(笑いました)
数年前トッピアコからブレンナーに移動するとき、綺麗な山並みを観ながら高原散歩の電車、そうです皆さんが途中下車?もうハイキングの宝庫を感じもう1週間滞在出来れば?と思いました。
今年は欧州でも雨が多く降りましたので、何処の滝も流れが大きく見ごたえがあり、又少し涼しくなるのは嬉しい事ですね。
今日お歩きの地域はドロミテーから少し外れますが、無料のカードを使いまくり、お愉しみが待つている。どうぞ後数日お天気が続きますように。
ツィラーターラー・アルペンに近づきたくなる気持ち、もの凄くよく分かります。国境に近づけば更なる迫力で見えるはず…と胸が躍りますよね〜。プフィッチ峠って何処だろう…と暫し地図とにらめっこしておりましたら昨日のギッチ山の北側なのですね。シュテルツィング駅から谷奥に進んでいくのを地図で眺めながらワクワクしました。大雨の影響がこんなところにも及んでいるのですね。自然には逆らえませんね。2000メートル以上のハイキングをしていると、確かに1400メートル付近ですと暑さにヤラレますよね。リフト類の力を借りずに自力で高度を稼ぐバイタリティーに感服です。(笑)プフィッチ谷は明るく開けた谷ですね。気持ちが開放的になって嫌なことすべてが風と共に飛んで行きそうな気がします。森林限界を超えて視界が開ける瞬間、すごく好きです!プフィッチャーヨッホ小屋の先が国境なのですね。国境の礎石は一つではなく、要所要所にあるのですかー。ご夫婦で国境をまたいでのランチ、ロマンティックですね。(私も多分、奥様のように国境線上に座りますねぇ。笑)在宅ワークを夫婦でしている友人は、一日中同じ空間にいることが苦痛すぎて、お昼ご飯は勝手に食べたいものを自分で用意して、別々に食べているそうですよ。おーと様ご夫妻のようにインターナショナルな国境越えのランチなんて夢のように素敵ですぅ。ランチの後は、Rotbachlspitze山頂まで登るのかと思いましたが、よく見ましたら山頂はオーストリア…それで諦めたのかしら?前情報なく思い立って歩くハイキングは期待と不安のシーソーゲームですけれどいかがでしたか?長期旅行の醍醐味ですね。それにしましても今週末で8週間が過ぎてしまうなんて、おーと様も『あっという間』と仰っていましたが、私も同様です。
https://goo.gl/maps/zAzqhRnsHXLifF5K8
標高差がどのくらいあるのか分かりませんが、素晴らしい眺めですねー。(氷河を抱いた峰々は、やっぱりAmazing!!!)
毎日楽しい写真をありがとうございます。
今日のコースはバスの終点のAngererがないので、やや、いい加減で、Steinは行きには通らなかったとのことで、多分、やや南の路の間違いと思いますが多めに見て下さい。
https://youtu.be/s7r7fRIOPvw
スタンゲ(ギルフェン)渓谷はシュテルツィングの西側になります。この日に出掛けたプフィッチ谷は東側ですから、水系としては異なりますが、この辺りの谷もかつて氷河で削られてできたことは同じでしょう。スタンゲ渓谷はお天気の悪い日にでも楽しめそうですね。
ロートバッハルシュピッツェ(クローダ・ロッサ)は国境線上の峰で、峠から良く見えました。国境線の尾根を登るようですが、峠からの標高差は600m以上。この日の我が家は峠まででバテバテでしたから、とてもとても…。峠までシャトルタクシーで上るか、オーストリア側からのアクセスなら登れるかも知れません。この山頂からなら、シュタンプフル氷河の上部も含めて周囲の氷河を満喫できるでしょうね。
実際に歩いたルートはご作成いただいたものとかなり異なります。こんな感じで歩ければ、あれほど疲れることもなかったでしょうが…(笑)。
今日も再びのシュテルツィングとあったので、取り急ぎ…ファーマーズマーケットが毎週(金)にあるみたいです。『ファーマーズ』とあるので期待できそう?
https://www.sterzing.com/de/info-service-sterzing/veranstaltungskalender.html
それと、南チロルのヨーグルトが美味しそうです。
https://www.sterzing-ratschings.com/de/aktiv-genuss/essen-trinken/sterzinger-joghurt.html
最近は行程のヒット率が下がって申し訳ありません。
シュテルツィング産をはじめ、ボルツァーノ県の乳製品はイタリア全国でも有名みたいですね。我が家が滞在中のブリクセンの郊外にも大きな乳製品工場があります。今回の滞在中、牛乳・ヨーグルト・バターはすべて地元産のものをいただいてます。