2021年08月28日

ファーネス山塊の懐へ

今日もアルプスの北側(オーストリア側)では雨模様の予報で、滞在中のザント・イン・タウフェルス Sand in Taufers(カンポ・トゥーレス Campo Tures)村でも朝には小雨が降ってましたが、南の方向には青空が広がっていて、日中は概ね晴天となりました。

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バスをブルネック Bruneck(ブルーニコ Brunico)駅前で乗り継ぎ、再びラウ(ルード)谷 Rautal / Val di Rudo の最奥に建つペデリュ小屋 Berggasthaus Pederü へやってきました。

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今日はここから南に見える谷を登ります。手前に電光掲示されている9桁の数字は「2035年元日までに残された秒数」で、1秒毎に減っていきます。「2035年までにエネルギー革命を実現しなければ人類は生存し続けられない」とのメッセージで、スイスのザンクト・ガレン在住のアーティストによる受賞作品だそうです。

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車道と遊歩道(7番のハイキングコース)のどちらを登っても良いのですが、我が家は後者を選びました。写真は振り返ってペデリュ小屋方面を撮ったものです。

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ザレた斜面のトラバースまでがやや急坂ですが、その後は徐々に緩やかな登り道になります。

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ハイマツ帯の中の平坦な道が暫く続きます。

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フルチャ・ダイ・フェールス(チーマ・フォルカ・ディ・フェッロ/アイゼンガーベルシュピッツェ)の南麓まで来ると、西方向へ再度の登りが始まります。

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ザレた涸れ沢を越えた先に十字架(写真左端)が建っていて、登り道はここまでです。正面の岩壁の手前を左手(南)へ進んでいきます。

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最初に現れる牧畜小屋がピチェス・ファーネス小屋 Ücia Pices Fanes。馬と牛が飼われていて、ハイカーに愛想を振りまいていました。

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可愛い雰囲気のムンタニョーレス小屋 Ücia dles Muntagnoles。小屋の前の分岐から右手の道を進みました。

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山々に囲まれたピチェス・ファーネス Pices Fanes(ファーネス・ピッコラ Fanes Piccola/クラインファーネス Kleinfanes)の湿原が広がり、行く手にラヴァレッラ小屋 Üćia Lavarella が近づいてきます。写真左奥の峰がピッツ・ラヴァレッラです。

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ラヴァレッラ小屋に到着。ペデリュ小屋からここまで1時間45分でした。

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ラヴァレッラ小屋の前には池が広がっています。周囲から清流が流れ込み、水面に鴨が遊んで美しい風景でした。風が冷たくて寒かったですが、池の近くに座って持参した手作りサンドウィッチを食べました。

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池に流れ込む清流の上流(南側、写真奥)にヴェルト(ヴェルデ)湖 Lé Vért / Lago Verde があったようです。我が家は池自体がヴェルト湖だと思い込んでしまい、湖畔まで行きませんでした。

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池の畔から「11A」の遊歩道に入り、東へ登ります。写真は登り道の途中から北東方向を撮ったもので、中央の谷の向こうが出発地点のペデリュ小屋方面です。その後方に見えている山はゼーコーフェル(クローダ・デル・ベッコ/サス・ドラ・ポルタ)。

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登り道からラヴァレッラ小屋を見下して撮った写真。写真左下に見えているのがヴェルト湖です。後方の山はチーマ・ディエーチ(ツェーナーシュピッツェ)で、その左がサッソ・ディ・サンタ・クローチェ(クロイツコーフェル)。この山々の向こう側を前々日に歩きました。

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登り切ったところがリーモ峠 Passo di Limo / Limojoch(海抜2,174m)。左の峰はピッツ・デ・サンタントーネ(モンテ・セッラ・ディ・ファーネス/アントーニシュピッツェ)で、右はフルチャ・ダイ・フェールスです。

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リーモ峠の南側にリーモ湖 Lago di Limo があります。ラヴァレッラ小屋から約30分でした。対岸(東側)に聳える山はコル・ベケーイ。

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リーモ湖畔を一周してみました(カミさんは行かないというので一人で…)。南側にはフルチャ・ロッサ連峰が見えました。右端の尖峰はピッツ・チャンペストリンで、左奥に覗いている頂はトファーネ山塊です。こちら側(グラン・ファーネス方面)から登って来るハイカーやバイカーも多かったです。

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リーモ湖畔から南西側に望むサス・ダイ・ベック(リーモシュピッツェ)。

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リーモ湖畔から北西側。右がピッツ・デ・サンタントーネ、中央がチーマ・ノーヴェ(ノイナーシュピッツェ)、左がチーマ・ディエーチ、左端がサッソ・ディ・サンタ・クローチェ。

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帰路はリーモ峠から北側のファーネス小屋 Rifugio Fanes へ下りました。立派な山小屋ですが「コロナのため休業」と貼り紙がしてありました。

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そこからムンタニョーレス小屋前へ出て、往路で歩いた道を戻りましたが、十字架から先も車道を下りました。傾斜が緩やかで歩きやすかったですが、後ろから時折マウンテンバイクが猛スピードで下って来るため要注意です。写真は左手に眺めるフルチャ・ダイ・フェールス。

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右手にピチョデール湖 Lé Piciodel が見えたので湖畔へ立ち寄ってみましたが、余り綺麗な湖水ではありません。

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東側から眺めたピチョデール湖。

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右手にチャミンの頂を見上げつつ、その西麓を下っていきます。

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左手に往路で歩いた道を見ながら最後の下り道を歩きました。

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リーモ湖から2時間弱でペデリュ小屋に帰着しました。

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すぐにサン・ヴィジリオ San Vigilio di Marebbe(ザンクト・ヴィギール St. Vigil in Enneberg)行きのバスが来たので、取り敢えず村まで乗っていくことにしました。ところがサン・ヴィジリオ村では明日開催される「マウンテンバイク・マラソン」競技の準備のために中心部を車が通れず、手前でバスを降ろされました。

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村の中心部に建つ聖ヴィギリウス教区教会 Pfarrkirche von St. Vigil / Chiesa Parrocchiale di San Vigilio を覗いてみました。

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聖ヴィギリウス教区教会の内部。

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村の下手まで歩いて下り、ホテル「モンテ・セッラ Monte Sella」前の停留所からブルネック行きのバスに乗ろうとしましたが、停留所の時刻表を見ると、バスは通過したばかりで次は1時間近く先までありません。実は、ペデリュ発のバスは夏季限定運行のため停留所に表記されていなかっただけだったんですが、村の通行止めの件もあって動揺していたせいでしょう、乗り遅れたと勘違いしてしまいました。あと数分待っていたらバスが来た筈なんですが、1時間近くも停留所で待つのは嫌だったので、近くの乗場からゴンドラリフト「ピッツ・デ・プライエス Piz de Plaies」に乗ってしまいました。「ドロミーティ・スーパーサマー・カード」が使えたからです。

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ピッツ・デ・プライエスには2軒のレストランがあり、子供達が遊んでました。写真の乗場は西側のバディーア谷から上ってきている別のリフトですが、こちらは運行されていません。

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ピッツ・デ・プライエスから南側の眺望。右手前の村はバディーア谷のサン・マルティーノで、後方はプエツ山塊です。左奥にマルモラーダも見えています。

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マルモラーダのズームアップ。

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レストランで休憩しようかと思いましたが、バスの時刻が気になって落ち着かないとカミさんが言うので、早々に下山しました。

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ゴンドラから眺めるサン・ヴィジリオ村。ロンジェーガ Longega(ツヴィッシェンヴァッサー Zwischenwasser)行きのバスが先に来たので、それに乗って終点でブルネック行きのバスに乗り換えて帰りました。

posted by おーと at 07:07| Comment(9) | ブルネック(イタリア)
この記事へのコメント
おーと様、おはようございます!
キャー!!!と叫ばずにはいられない心境です。思わず両手を上げてベッドの上で歓喜の声を上げてしまいました。開眼一番に先ずはブログを拝見するのがモーニングルーティーンになっています。ブログを開くと『サムネイル』の表題と画像(一枚目の写真)が表示されるのですけれど、新しいスマホに変えてから何故か画像が表示されずに(初期作動の時だけですけれど)表題だけが目に入りました。『ファーネス山塊の懐へ』を見て、「あーーー!今日も南下してバディア方面に行ったのかしら〜』とウハウハしながらブログを開きました。一枚目の写真が目に飛び込み『えっ!こ、こ、、これは!!!もしや???』夜間は画面を暗くしているので、未だ陽の当たらない建物が良く見えなくて、慌てて明るさをアップしました。『Pederu』の文字が見えるじゃありませんかー!「おーーーっ!」と再び大歓声。いつもならば暫くベットの中でウダウダしてしまうのですけれど、慌てて階下へ降りてパソコンを立ち上げました。再び「わぁぁぁ〜!」と興奮が抑えられない私。(鼻血が出そうなくらい、心臓がバクバク w笑w)『Pederu−Fanes Alm−Lavarella』のハイキングコースにプラスしてリーモ湖までのロングコース!!!15キロ近く歩かれたのですね!(すごい)ピチェス・ファーネス小屋の背後にそびえる荒々しい山肌、ペデリュを小さくしたようなムンタニョーレス小屋…ヴェルト湖の周辺に広がる湿地帯の風景はえもいわれぬ絶景ですね。(アールン谷のラーナーアルム湿地帯の光景が蘇ってきました。)数日前に訪れたサンタ・クローチェ聖堂が目の前の山の向こうに在るというのが想像力を掻き立ててゾクゾクします。静かに水をたたえるリーモ湖の美しといったら!たまらないです。(人があまりいないように見えます。)車道は広々で歩きやすそうですね。このコースは『冬のハイキング道』しても設定されているので、圧雪された雪道のハイキングをしたらどんな風景(空気感)なのだろう…とまたまたあらぬ妄想に駆られました。(苦笑)長距離を歩いた後に(偶然にもバスの自時刻の関係で)サン・ヴィジリオ村にまで立ち寄り、そして、勘違いの賜物でゴンドラリフトにまで乗ってしまう、そのバイタリティーにただただ驚きと尊敬の念を抱きます!(流石、2か月以上も高地トレーニングをすると違いますね〜。いくらドロミーティ・スーパー・カードが使えるからって、それだけではこの偉業はない遂げられませんよぉ!敬服)
おーと様……これで昨日の朝の『行き先は…どうぞお楽しみに!(フフフ)』の正体が分かりました。(笑)実はあの後、どこに行くのだろうなぁ〜と独り妄想クイズをしておりました。オーストリア国境沿いのバイアスロンセンターのライブカメラには雲が張り付いた様子が見て取れますし、シュパイクボーデンの映像もいまいち…南下してみるとライブカメラにはまずまずの展望が確認できたので、『たぶん南下しているかも?』と勝手に予想を立てていました。『南下する』となれば、いちばん気になる場所は、迷うことなく『再びのペデリュ!』です。あの場所からハイキングをしたいとずーーーっと思っていましたので、本当にありがたくて感謝です。ハイキング地図には写真が2枚しかなかったのですが、これほどまで展望が良く、豊かな水をたたえた湿地帯があるとは想像を1000パーセント上回る大興奮です。それに、雲はあるものの山の頂を隠すことはなく、おーと様の場所選びは大成功でしたね!良かったです!!!
今日は『旅の集大成のコルティーナ』へ移動ですね。どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。
Posted by なおなお at 2021年08月28日 12:31
なおなおさま、こちらの期待以上の反応をしてくださって、本当にありがとうございます。なおなおさまは脚本家か漫画家の素質がおありなのでは…と感じます。こういう文章はなかなか書けないと思うんですよね。
こちらこそ、なおなおさまにコメントしていただかなかったらピチェス・ファーネスへ出掛けることは無かったでしょうから、心より感謝申し上げます。お天気に恵まれたこともありますし、想像以上に美しいところで、かつそんなにハードな行程でもなく、サン・ヴィジリオ村での滞在者の多くがここを目指す理由がよく分かりました。ラディーン語の地域だというのも興味を惹かれます。ここはブルネックの奥というより、バディーア圏の一部なんでしょうね。
ブルネック周辺の観光客の数はピークアウトしつつあるように思えますが、サン・ヴィジリオ村はまだまだ多くの滞在者で賑わっていて、往路のバスもサン・ヴィジリオからは満員になりました。村の教会の内部も予想通り素晴らしく、ザント村へ戻るのが遅くなってしまったものの、立ち寄れたのは良かったです。
カミさんは山歩きに身体が慣れたようで、最近は私の方がついて行けず「もう少しゆっくり歩こうよ」と声を掛けるほどです。「身体が折角できたのに残り2週間じゃ勿体ない」「帰国したら体重のリバウンドが恐ろしい」と申しております。
Posted by おーと at 2021年08月28日 13:29
おーとさまこんにちは。
ファーネス山塊の懐へ。本当に夏のシーズン毎日、青空が見られてこんな素敵な長期休養は恵まれて居られる、言えます。
バス停のベロリユ小屋は大きくて冬でも泊まれるんですか?腰下がコンクリーのしっかりした建物なので雪は多く降りそうに思いますが。(スキー場ですもの)
7番のハイキングコースから眺める登山道は、もう本当に北アルプスの縦走路と同じです。
日本ではライチョウが見られますが、此の辺りの鳥は?
日本の北アルプスの縦走路は車が入れませんので、南チロルは牧畜農家が多く、牧場に開拓されてて高い樹木は切られてしまいましたのでしょうか。アルムの環境が日本と違い広く取れるので比較はできませんね。
登山道は日蔭があるほうが涼しいと思いますが、これだけ標高が高いとそんな心配は無用でしょうね。寒いと書かれておりますので。
今日のコースは、あるいは毎日のハイキングの日焼け対策などはおーとさまは、どうされて居られるのか?と思いました。外国人は日に焼けるのはあまり気にしないとか。言いますが。最近の日本人はかなり神経をとがらせて居られる。
ハイカーが多く此の辺りの、牧畜小屋の牛や馬が慣れて居られるて嬉しい。元々牛は大人しいですが馬は少し傍に寄るのは怖いです。アニメで馬は大きな歯を丸出しにして笑うとか?
車道はマウンテンバイクが猛スピードに?人が歩いているのに時としては、理解に苦しみます。彼らはスピードを楽しんでおられ、仕方がないのかもしれません。
お二人でバスの待ち時間をゴンドラで往復、ドロミテー・スーパー・カードここでも大活躍しました、私も時間調整の為良く乗ります。
山上駅から雪を被るマルモラーダ、おーとさまもうじき麓に移動なさり、どの辺までお登りになられるのか?私、南ドロミテー行っていないので、これからのご報告も楽しみです。
おーとさまにとりましては、アルコールは日本と比べるとイタリア人は日本のアルコールの値段では暴動が起きるかもしれませんね。日本の半分以下ですもの。おーとさまはおタバコは?
Posted by ss at 2021年08月28日 13:49
おーと様
伊太利の奇麗な空気が感じられる素晴らしいコースでした。感想文はなおなお様とss様に譲って、軌跡を辿って見ました。
https://youtu.be/VFJcmWfSWvk
Posted by 和田 力 at 2021年08月28日 17:44
ssさま、ペデリュ小屋は冬も営業しているようですね。ここにはリフト類が無いので普通のスキーは楽しみにくいですが、クロスカントリーやウィンター・ハイキングは楽しめると思います。
今回の旅では雷鳥は見掛けてませんね。スイスやチロルでは何度か見掛けたことがありますけど、ドロミーティ地方のお手軽ハイキングコースは海抜2,000m前後の場所が多いので、雷鳥が棲むには標高が低すぎるのかも知れません。
当地ではこのところ気温が低めで、秋の気配を濃厚に感じられるようになってきました。でも陽が出ると途端に暖かくなりますので、日焼け防止クリームはしっかり塗っております。こちらの方々は裸になって日光浴を楽しまれているのをよく見掛けますが、よくあれで火ぶくれにならないなぁと感心します。
マウンテンバイクで走れる道は決められていて、遊歩道と棲み分けされていることもありますが、四輪車も走れる幅広の道はバイカーとハイカーの共用になっていることが多いですね。歩行者の方が優先だろうと私は思いますけど、怪我させられて困るのはこちらですから、「どけー!」って感じで下って来る自転車はよけるしかありませんね。
酒が安い代わりに、タバコやガソリンが日本よりかなり高いのが欧州です。原因は税率の違いです。私は幸いにしてタバコを一切吸いませんので、影響ありません。
Posted by おーと at 2021年08月29日 06:11
和田力さま、今回も写真を組み込んだ素敵な動画に纏めてくださって、どうもありがとうございます!
ドロミーティの岩山は青空と陽光の下だと白く輝いて本当に美しいことを、我が家もこの日に実感いたしました。
Posted by おーと at 2021年08月29日 06:43
おーとさまこんにちは。
やはり、10年ぐらい前にミュンヘンからレンタカーでベルヒテスガーデンに滞在した時に偉くガソリン代が、借りた店でガソリンを入れたので、えらく高いと思いましたが、数年前にユーロ―が90円台の時に換金したのでそれ程とは思いませんでした。今ですと随分高いと思いますね。おーとさまは矢張健康に留意してらっしゃるのではと思いました。私達2人は一度もたばこを吸った事がありません。嫌いなのです。
Posted by ss at 2021年08月29日 14:18
ssさまご夫妻はお2人ともノン・スモーカーでいらっしゃるんですね。我が家も同様です。カミさんは特に煙草嫌いで、「アンタが愛煙家だったら結婚してなかったかも」と言われたことがあります。煙草は百害あって一利なしですから、吸わないに越したことはありませんよね。
Posted by おーと at 2021年08月29日 23:12
写真を23枚追加しました。
Posted by おーと at 2021年12月23日 23:34
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