2021年09月05日

レローザ峠越えハイキング

今日は午後に不安定な天気になるとの予報でしたので、高地には行かず谷間を歩くことにしました。

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コルティーナ・ダンペッツォ Cortina d'Ampezzo のバスターミナルで切符を買い、「コルティーナ・エクスプレス Cortina Express」のサン・カンディド San Candido(イニヒェン Innichen)行きバス(9時5分発)に乗ってチーマバンケ峠 Passo Cimabanche で下車しました。運賃は1人2.50ユーロでした。ドッビアーコ Dobbiaco(トブラッハ Toblach)方面へはSAD社のバスも走っていますが、午前の便は8時5分発か10時5分発になるので、時間的に「コルティーナ・エクスプレス」バスの方が好都合でした(但しこのバスは明日で今夏の運行が終了します)。チーマバンケ峠はヴェネト州とトレンティーノ・アルト・アディジェ自治州の州境で、ここからはコルティーナ方面もドッビアーコ方面も下り道になるため、サイクリングに出掛ける人が多く集まっていました。

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チーマバンケ峠に建つレストラン「シャレー・パッソ・チーマバンケ Chalet Passo Cimabanche」。

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車道沿いの遊歩道をコルティーナ方面へ少し戻り、ビアンコ湖 Lago Bianco の先から北側の林道に入りました。ビアンコ湖は写真のような沼地で水面は見えませんでした。SAD社のバスならすぐ近くのネグロ湖 Lago Negro に停留所があるんですが、「コルティーナ・エクスプレス」バスはそこに停車しないため、チーマバンケ峠から歩いて戻ったという次第です。

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林道は西へ方向を変えて緩やかに登っていきます。登り道で出会ったのは自転車2台とハイカー1人だけで、静かな山道を楽しめました。コンパス社の地図には8番のハイキングコースと書かれていますが、現地にはその旨の標識はありませんでした。

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レローザ峠 Forcella Lerosa が近づくと、左手(南側)にクローダ・ダンコーナの岩峰が迫ります。

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チーマバンケ峠から1時間半余りでレローザ峠(海抜2,020m)に到着。北側には牛の放牧地が広がっています。第一次世界大戦当時、ここにはオーストリア軍が前線へ兵士や物資を供給するための補給基地が置かれていたそうで、その旨の解説板が立っていました。背後の圏谷の奥に聳えているのはホーエ・ガイズル(クローダ・ロッサ・ダンペッツォ)。半月前にプレッツヴィーゼ(プラート・ピアッツァ)峠から見た山を反対側から眺めている形になります。

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レローザ峠から西に望むゼンネス山塊。写真中央がムンテジェーラ・デ・セーネス(モンテ・セッラ・ディ・センネス)で、右奥がゼーコーフェル(クローダ・デル・ベッコ/サス・ドラ・ポルタ)です。

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レローザ峠から先は林道を離れ、「ストラーダ・ミリターレ Strada Militare(軍用街道)」を下りました。かつて峠の補給基地へ物資を運んだ道らしく、傾斜が比較的緩やかで歩きやすかったです。

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レローザ峠から約1時間でラ・ストゥーア小屋 Malga Ra Stua に出ました。写真正面の谷を遡っていくと、我が家も先月通ったゼンネス小屋へ至ります。ここからはコルティーナ市街手前のフィアーメス Fiames まで随時シャトルタクシー(写真左の車)の便があり、料金は1人7ユーロと表示されていましたので、気軽に利用できそうです。
運転手の小父さんは暇そうでしたが、我が家は駐車場のベンチで持参したサンドウィッチとおにぎりを食べ、更に歩いて下ることにします。

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車道ではなく6番のハイキングコースを歩きました。途中に小規模でしたがボイテの滝 Cascate del Boite がありました。

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西にファーネス谷を一望できる「ソン・ポウゼス Son Pouses」の展望所。写真右の解説板(英語が併記されていました)によれば、地名は「動物が休む場所」という意味で、第一次世界大戦では軍事的な要衝としてオーストリア軍の砦が築かれ、イタリア軍との激戦の舞台になったところらしいです。写真左がトファーネ山塊で、中央の山ヴァロン・ビアンコとの間がトラヴェナンツェス谷です。

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今朝バスで通過したカーブ地点の近くにある駐車場。正面の山はポマガニョン連峰の北に延びている尾根です。

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駐車場の西側にフーベルトゥス(サントゥベルト)城址 Villa Sant'Hubertus / Sant'Uberto があります。本当は城ではなく、19世紀末にアイルランドの伯爵夫人と米国の女性大富豪が共同で建てた館だったらしいですが、第一次世界大戦中に破壊されて壁の残骸しか残っていませんでした。

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更に南下し、フェリツォン川 Felizon の峡谷を渡ります。

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観光案内所の小屋を通過。

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ボイテ川 Boite の広大な河原に出てきました。対岸(西側)に聳えている岩山はコル・ロザです。

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ボイテ河畔から北側(歩いてきた方向)を撮ったもの。写真右上の頂がクローダ・ダンコーナで、その手前はボテスターニョ城址のある岩山です。

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ラ・ストゥーア小屋から約2時間でフィアーメスの停留所(写真)に到着。ここから市内バスに乗って帰るつもりが、ボイテ河畔の道が思ったよりも長く、2分ほどの差で乗り遅れてしまいました。発車して行くバスを手前で見送るのは空しかったです。写真右のレストランで休憩して1時間後のバスを待とうかとも思いましたが、そのレストランがカミさんは余り気に入らなかったらしく、時間的にも大差は無いので歩いて帰ることになりました。

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東へ少し登ると、ドロミーティ鉄道の軌道跡に作られた自転車用道路に出たので、そこを歩きました。
写真はフィアーメス駅跡。明朝にコルティーナからこの鉄道跡をドッビアーコまで走る30qマラソンが開催されるので、テーブルは補給スタンドでしょう。ミズノがスポンサーになっているんですね。

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コルティーナ市街の北端まで来たところです。山の上には雨雲が湧き、雷鳴が聞こえたり雨粒が少し落ちてきたりもしましたが、濡れるほどの雨には遭わず、フィアーメスから1時間余りで中心街まで戻れました。

この記事へのコメント
おーと様、おはようございます。
『レローザ峠越えハイキング』天気予報を考慮しながら楽しまれたご様子で何よりです!『谷間』というところが、のっけからワクワクしました。ビアンコ湖は湖面近くの草が既に枯葉色で秋が訪れているのだなぁ〜と感じました。自転車2台+ハイカー1人としかすれ違わずに、静寂のコースでリフレッシュ出来ましたねっ!クローダ・ダンコーナの山肌が部分的にテラコッタ色に見えて興味深い光景です。のどかな牛の放牧地がかつては最前線への物資補給基地だったとは、解説板がなければ想像することができない風景です。ホーエ・ガイズルのゴツゴツ&トゲトゲした稜線とカールの曲線、その下を覆う針葉樹が絵になりますねー。『ストラーダ・ミリターレ(軍用街道)』と重々しい名称の道も今ではハイカーたちを癒しの一役をかっていて、やはり平和であることの尊さを感じずにはいられません。ラ・ストゥーア小屋を遡って行くと『ゼンネス小屋』…ん?先月通った…?…記憶を遡りました。そうでした!ブライエス湖→ゼーコーフェル小屋→(絶景の)ペデリュ小屋のコースの途中でしたね。こんなに広大な素晴らしい眺めが広がっていたのですね!
https://goo.gl/maps/EUWFxyHhBGM4xqVC6
……このままペデリュ小屋に舞い降りて行きたくなりました。(妄想の翼があれば何処へでもワープできるので便利です。w笑w)シャトルタクシーがあるのですね。便利です。他にもきっとシャトルタクシー便がありそう。(一覧があれば良いのに…。)ボイテの滝、マイナスイオンで更に充電ですね。この滝などが集まってボイテ川に注ぎ込み、広大な河原となっているのですね。小さな空港もあったりしていかに広いのかが見てとれました。『フィアメス駅跡』は前日の『ツエル』と似た造りで、当時が偲ばれる佇まい…。快適な軌道跡をサクッと歩かれるパワー!流石です!!!(雨にもほとんど濡れずにラッキーでしたね。)ところで『市バス』の範囲は、どこからどこまでなんでしょう?確か一時間ごとに運行されているのですよね。コルティーナは複数のバス会社があって、経路は同じでも停車駅が違ったりで煩雑ですね。地名が聞きなれないうちは頭が混乱してしまいそう…(方向音痴の私には難関です…苦笑)
今日のお天気は、まだライブカメラが真っ暗なので詳細は不明ですが、予報はまずまずですね。明日からはもっと良さそうな予報でホッとしています!では、行ってらっしゃいませー。
Posted by なおなお at 2021年09月05日 12:20
おーと様
天気には恵まれてますね。しかも、バスがある道を最後まで歩かれたのは驚きです。いよいよクロダ・ダ・ラーゴ周辺の散策ですか?
Retola峠の軌跡です。
https://youtu.be/ppL5sHh7_0E
Posted by 和田 力 at 2021年09月05日 14:12
なおなおさま、いつも沢山のコメントをありがとうございます。
チーマビアンケ峠からレローザ峠まではどちらかというとマウンテンバイク用のコースという気がしましたが、その先は英語表記の解説板が点在していて、歴史を学びながら歩くことができました。
ラ・ストゥーア小屋はファーネス山塊を縦断してプスター(プステリーア)谷側(=ブルネック方面)へ歩く際の起点になるところで、市内バスとシャトルタクシーを乗り継げば早い時間帯に出発できますから良いと思います。シャトルタクシーは常時待機しているようで、「8時半から19時までは待ち時間20分以内」と書かれていました。
https://www.serviziampezzo.it/trasporto-urbano/
コルティーナの無料市内バス(↑)は、北限がフィアーメス、南限がピアン・ダ・ラーゴ近くのアックアボーナです。東はアルヴェラまで、西はポコルまでで、南北に比べると短いですが、東西は傾斜地なので利用価値があると思います。
今日も午前中はまずまずのお天気になりそうですが、9時半まではマラソン大会の影響でバスが運休なので、ロープウェイ利用でスタートしようかと考えてます。
Posted by おーと at 2021年09月05日 14:46
和田力さま、早速にこの日の行程を動画にしてくださって、ありがとうございます。
私もフィアーメスでは「えっ、歩くの?」と思いましたけど、北側の鉄道跡も見られたので良かったです。なお、フィアーメス駅舎跡は現在使用されておらず、空き家のようです。カミさんが入るのを嫌がったレストランは車道脇(バス停の隣)にあり、駅舎跡とは別です。
今朝もまずまずのお天気ですが、8時台のバスがマラソン大会のために運休(または郊外から出発)ですので、クローダ・ダ・ラーゴ小屋方面は後日に回します。明後日あたりが快晴になりそうなので、そこでと考えてます。
Posted by おーと at 2021年09月05日 15:02
おーと様
駅跡とレストランを間違えて済みません。今日はパラリンピックの最終日で日本は沢山金メダルを取りました。
Posted by 和田 力 at 2021年09月05日 15:34
おーとさまこんにちは。
レローザ峠越えハイキングまずまずのお天気で良い1日を過ごされました。
私が、トッピアコに行く時なぜか8時5分のバスは運休になり(何の説明もなく)イギリス人2人と次のバスをコルチナで待ちました。
コルチナ・エクスプレスかどうか覚えておりませんが多分其れかなと思います。
エクスプレスバスは予定のバス停は止まらないで、マーチバンケ峠~戻るとか?おーとさまは何御これしきでしょうが、エクスプレスは仕方ありません。
レローザ峠は以前ではいわくつき?の峠なのかも知れません。今は平和になり軍用道路の名残も歩き易いとしか思われませんが、それはそれでタクシーが入られて良いのでしょう。
ゼンネス小屋此処迄シャトルタクシーで来られた方が下り、それで待つているのかもしれませんね。
自然の美しい風景の中で食べる、手作りサンドウイッチやおにぎりはカミさんの心がこもり何処でも広げられて、レストランの食事より美味しい事でしょう。ご飯は鍋で上手に炊けますか?
谷を歩くので樹林の風景に私大好きで癒されますが、日本ではエゾ松、トドマツの様に見えますが、何でしょう。
軍用道路からハイキングコースへと、
ボイテの滝に小さな橋が掛けられて、こじんまりした登山道は日本的で涼しそうです。
其れにもまして、

レストランが気入らず、歩いてコルチナの町まで、やはり物凄いとか?3ヶ月もう靴の底が減りすぎて悲鳴を上げて居られるのではと思います。(冗談)
私は無いですが、友人が山の中で靴の底がはがれて、パカパカになり、紐でくくり何とか下山した例もあります。又岩手山の下山でも話したとおり。楽しみのランクが上過ぎてもうお二人には脱帽です。この先靴が壊れない様お祈りいたします。
Posted by ss at 2021年09月05日 15:51
和田力さま、パラリンピックも終了ですか。オリンピックは少し生中継なんかもテレビで観られたんですが、パラリンピックは自国選手の活躍がニュースで報道される程度なので、当地では余り楽しめませんでした。何はともあれ、大きな事故等が無く日程を終えられて良かったのではないでしょうか。
Posted by おーと at 2021年09月06日 00:32
ssさま、この日に乗った「コルティーナ・エクスプレス」バスも英語圏の乗客が多かったです。ハイキングに出掛けるというより滞在地の移動のために乗車されていた感じですが、車内でマスクをせずに会話していて、カミさんは憤慨してました。
カミさんは鍋でご飯を炊くのが上手いです。自宅でも炊飯器を使わずに鍋で炊くことが多いんですよ。米も当地のスーパーでリゾット用として売っているものを使ってますが、全く問題ありません。
針葉樹の種類については殆ど知識がありませんけど、幾つかの種類の木が混在している感じです。エゾマツ、トドマツの仲間が多いんでしょうか。
Posted by おーと at 2021年09月06日 00:44
写真を7枚追加しました。
Posted by おーと at 2022年01月11日 14:21
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