2021年07月17日

「ピサの斜塔小屋」に登る

ファッサ谷での滞在最終日です。今日も不安定なお天気との予報ですが、朝は青空が広がっていたので、早めに出て早めの帰宅を目指しました。

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8時少し前にバスに乗り、前日に行ったプレダッツォ村 Predazzo の手前で下車。ここには大きなスキージャンプ台があります。2013年に男女混合団体で日本チームが優勝、女子個人で高梨沙羅選手が2位に入り、2003年には男子個人で葛西紀明選手が3位になった場所だとの顕彰掲示板が掛かっていました。

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ジャンプ台の隣がゴンドラリフト乗場で、これに乗り込みます。

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ゴンドラリフトは森林限界付近の山腹に到着します。山上駅の近くにレストラン「ガルドネ小屋 Rifugio Gardoné」が建っています。

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近くの乗場からチェアリフトに乗り継ぎます。

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フェウド峠 Passo Feudo に到着しました。南東側にチーマ・ディ・チェーチェをはじめとするラゴライ山群の峰々が並んでいます。周囲が広々とした草原で気分の良いところでした。
山麓駅ではフェウド峠を「Latemar 2200」と称してました。ラテマール山塊の海抜約2,200mの中腹までお運びします、ってことなんでしょう。

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ここにもレストラン「フェウド峠小屋 Baita Passo Feudo」があります。

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フェウド峠から西に眺めるツァンゲン(パーラ・ディ・サンタ)山(2,488m)。その左後方にブレンタ山塊が遠望できています。左手前の谷底はスターヴァ谷のパンペアゴで、写真右端の鞍部がパンペアゴ峠(ライターヨッホ)です。

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ブレンタ山塊のズームアップ。

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フェウド峠から北へ緩やかに登り始めます(516番のコース)。写真は途中で振り返って撮ったもので、中央の鞍部がフェウド峠のチェアリフト駅とその左にフェウド峠小屋。後方(峠の南側)はモンテ・アニェッロ(2,358m)です。

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アニェッロ山の左後方に見えるチーマ・ダスタ(2,847m)のズームアップ。

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行く手には目指すトッレ・ディ・ピーザ小屋 Rifugio Torre di Pisa(ラテマール小屋 Latemarhütte)がハッキリ見えました。岩山の上ですが、目標が見えているというのは安心感がありますね。

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草原に咲くゲンティアナ・プンクタータ。

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登り道の途中でカミさんが今日もエーデルワイスを見つけました。「咲いていそうな場所が分かるんだよね」と豪語しておりました。黄色いアルプスヒナゲシも沢山咲いていました。

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この花も多く見掛けましたが、名前をご存じでしょうか?
⇒ 和田力さまからツヴェルク(=ドワーフ)・アルペンローゼ(ロドタムヌス・カマエキストゥス)だとお教えいただきました。ありがとうございました。

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ケルンのような石造りのモニュメントがある分岐点。ここから本格的な登り道になります。左手の22番のコースを選んで山腹をトラバースすれば、ゴールのチェアリフト乗場まで楽に歩けただろうと思います。

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トッレ・ディ・ピーザ小屋の直下まで登ってきました。

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トッレ・ディ・ピーザ小屋(海抜2,671m)に到着。フェウド峠から約1時間15分で着き(案内標識に書かれていた所要時間は1時間半)、ここまでは順調でした。

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未だ時間帯が早いので、料理人と思しき親父さんがテラスでタバコを吸い、可愛いお姉さんが準備作業に勤しんでました。写真右のアニェッロ山の左奥の谷底に、前日に行ったプレダッツォ村が見えていますが、やはり急速にお天気が悪化してきました。

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山小屋から東に眺めるチーマ・フェウド。

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北側の眺望。写真右がラテマール山塊の本峰群です。

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山小屋から北へ少し進むと、こんな岩山が並んでいます。左から2番目の岩峰がピサの斜塔に似ていることから、山小屋が「ピサの塔小屋」と名付けられたようです。

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「ピサの斜塔」の近くに、こんな奇岩もありました。岩のブロックを積み重ねたような感じですね。

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山小屋から先は残雪もある険しい道が続き、雨も降ってきてしまいましたが、反対側から来る多くのハイカーと擦れ違ったので、道が分かりやすく、また心強くもありました。分岐を左折して18番のコースに入り、フォルチェッラ・デイ・カモーシ Forcella dei Camosci(ガムスシュタルシャルテ Gamsstallscharte=カモシカ峠)を越えます。

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岩峰に囲まれた谷を抜けると…

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急坂の下りが待っていました。写真左下へ下っていきます。

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写真右上の方から下ってきました。

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眼下にオーバーホルツ Oberholz のチェアリフト駅が見えてきました(写真中央手前)。その後方はエピルヒャー・ラーナー・アルムのゴンドラリフト駅で、どちらのリフトも写真右に見えるオーバーエッケン村 Obereggen へ下っています。幸いにこの辺りで雨が止みました。

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オーバーホルツのチェアリフト駅の上手に木製の展望テラスがあり、ここから見える山々が解説してありました。お天気が良ければエッツターラー・アルペンやシュトゥーバイアー・アルペンの高峰群も遠望できるようです。トッレ・ディ・ピーザ小屋からここまで約2時間半かかりました。

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展望テラスの隣に立派なベンチがあり、そこでサンドウィッチの昼食を摂りました。このベンチ、土台が回転するので、好きな方向に向いて座ることができます。

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オーバーホルツのチェアリフト乗場。すぐ下にスタイリッシュなレストランがありました。

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チェアリフトに乗り込んでオーバーエッケン村へ下ります。

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オーバーエッケン村。写真中央の建物の裏手に見えるのが下ってきたチェアリフトです。ここからバスをビルヒャブルック Birchabruck(ポンテ・ノーヴァ Ponte Nova)で乗り継いでヴィーゴ村 Vigo di Fassa まで帰りました。(オーバーエッケン〜ビルヒャブルック間はトレント自治県のゲストカードが効かないので、1人1.50ユーロの運賃を支払いました。)
貸アパートに着いたら間もなく雨が本降りになったので、まずまずラッキーな一日だったというところです。

posted by おーと at 04:57| Comment(11) | ファッサ谷(イタリア)

2021年07月16日

プレダッツォ村へ

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夜明けには綺麗な朝焼けが見られて、今日もハイキングに行けるかな?と期待したんですが、すぐに曇って雨が降ってきました。なかなか止まないので、今日のハイキングは断念です。

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10時頃にようやく小降りになったので、バスに乗って前日に通ったモエーナ村 Moena より更に南のプレダッツォ村 Predazzo へ行きました。ここはファッサ谷の南に続くフィエンメ谷 Val di Fiemme の中心地です。バスターミナルは大きいですがガランとしていて何もありません。

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中心街へ歩いていくと、大きな教会(聖フィリッポ&ジャコーモ大司祭教会 Chiesa Arcipretale dei Santi Filippo e Giacomo)がありました。お天気も回復傾向です。

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教会の内部。

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教会の前に建つ村役場。広場に2026年の冬季オリンピック(ミラノとコルティーナの共催)の看板がありました。この村もホストタウンになるようです。

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近くに建つ「ドロミーティ地質学博物館 Museo Geologico delle Dolomiti」。ゲストカードで無料になるので入ってみたかったんですが、入口で訊いたら事前予約をしないと入館できない由。どうやらコロナ感染予防のための措置らしいです。観光局のウェブサイトにはそんな記述は無かったんですが…。

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プレダッツォ村へ来た理由は、ウェブサイトで検索して良さそうな書店「ラゴライ Lagorai」を見つけたからです。店は思ったより小規模でしたが、店主の小父さんに「ラディーン語の辞書ある?」と訊くと、大きなイタリア語版を取り出してくれました。もっと小さいのが欲しかったんですが、これしかないらしく、値段は18ユーロと予算範囲内だったので購入しました。ついでにハイキング地図も購入。

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中心街に綺麗な内装のスーパー「COOP」があったので、そこで食材を買ってからバスで帰りました。

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貸アパート内で昼食後、昼寝をして(汗)、15時の再開館時刻に合わせて近くの「ファッサ・ラディーン博物館 Museo Ladin de Fascia」を観に行きました(ここもゲストカードで無料)。石器時代から現代に至るまでのファッサ谷の歴史や文化が解説展示してあり、ビデオ展示も多くて見応えがありました。

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冬季に行われるカーニバル行事の仮面や衣装の展示が印象的で、やはりヴェネツィアのカーニバルに似ていますが、スイス・アッペンツェル州の「シルヴェスタークロイゼ」に通じるものも感じました。
なお、この博物館のショップでもラディーン語に関する書籍を販売していて、今日買った辞書もありました(でも少し痛んでいたので、プレダッツォ村へ行った甲斐はあったと思うことにしましょう!)。
買った辞書のラディーン語はファッサ谷のもので、ガルデーナ谷のラディーン語とは発音や表記が少し異なるようです。我が家が滞在中の自治体「サン・ジョヴァンニ」はラディーン語で「セン・ヤン」だと書きましたが、どうやら「セン・ジャン」と発音するのが正しいようです。ブログの記述を訂正しておきます。

夕方から再び本降りの雨になっています。ファッサ谷滞在最終日の明日も残念ながらお天気は余り期待できなさそうです。

posted by おーと at 01:45| Comment(5) | ファッサ谷(イタリア)

2021年07月15日

レ・セッレ峠越えハイキング

前日午後の雷雨は夜半までに上がり、今朝は青空が広がっていました。
明後日までは気温が低く不安定なお天気との予報でしたが、降水確率は低めだったので、ハイキングに出掛けることにしました。ただ、実際には予報ほどお天気は良くありませんでした。

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初めて南行き(谷の下流方面行き)のバスに乗り、モエーナ村 Moena で下車。バスの乗換え待ち時間を利用して村の教会へ行ってみました。

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教会の前でメルカート(露天市場)が開かれていました。地元産の美味しそうな蜂蜜を売っている店が2軒ありましたが、スーパーで買った蜂蜜が未だアパートに半分残っているので、荷物を増やさないために我慢しました。

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モエーナはファッサ谷では最も人口の多い村らしく、中心部の商店街が魅力的に見えましたが、残念ながらバス停が中心部からかなり離れていて、ゆっくり店を覗く時間はありませんでした。

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ファルカーデ Falcade 行きのバスに乗り換えます。

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サン・ペッレグリーノ峠 Passo San Pellegrino 手前のコスタベッラ Costabella 停留所で下車。バス停前のレストラン(写真右)の脇からチェアリフトに乗り込みます。

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チェアリフト「コスタベッラ」はカンパニャッチャ Campagnaccia のアルムへ上っていきますが、バス停から歩いて登る人も多かったです。モエーナ村では晴れていたのに、急速に曇って小雨が落ちてきました。

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チェアリフトの山上駅は草原のど真ん中で、周囲には何もありません(南東側へ少し下ると「パラディーゾ小屋 Baita Paradiso」というレストランが営業中のようでしたが…)。写真右がコスタベッラ連峰のようです。

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「604A」のコースで西へ進み、牛の放牧地を緩やかに登ります。行く手にレ・セッレ峠 Passo delle Selle と、その南側に建つ山小屋 Rifugio Passo le Selle / Bergvagabunden Hütte が近づいてきました。

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峠の手前でカミさんがエーデルワイスの花を見つけました。その一角だけでしたが幾つも咲いていました。

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レ・セッレ峠(海抜2,528m)。メジャーなセッラ峠と似た名前ですが全く別の場所です。第一次世界大戦でオーストリア軍の最前線だった場所との説明板がありました。峠の手前から小雨が霰に変わってきていたので、山小屋で休憩しようかとカミさんに言いましたが、カミさんは先を急ぐ方を選択しました。

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ところが、峠を越えた途端に急に激しく降ってきました。小豆くらいの大きさの特大の霰が一面に降り注ぎ、耳などに当たって痛いのなんの…。あっという間に積もって周囲が銀世界になってしまいました。

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可憐な草花もこのとおり。先程のエーデルワイスも今頃は霰に埋もれてしまったでしょう。

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残雪に半分埋もれているレ・セッレ湖 Lago delle Selle を通過。この辺りでようやく霰が止みました。

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急な渓流を2回渡りました。前日の雨で増水していて、足を濡らさずに渡渉できるギリギリのレベルでした。

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タラメッリ小屋 Rifugio Taramelli を通過。小屋の外には誰もいませんでしたが、正午からの営業に向けて準備中だったみたいです。

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タラメッリ小屋の下手で雪渓を渡る箇所がありました。融けて穴が開き始めていて、そのうち渡りづらくなるんじゃないかという気がしました。

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603番のコースでモンツォーニ谷を北へ下り、モンツォーニ小屋 Malga Monzoni に到着。チェアリフト「コスタベッラ」の山上駅からここまで約2時間半でした。

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ここまではシャトルタクシーの便があり、それに乗ってやってきている人も見掛けました。シャトル便の待合所のベンチに座り、持参した手作りサンドウィッチを食べました。

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モンツォーニ小屋から先は大半が舗装道路で、道端の草花を楽しみつつ快適に下れました。

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サン・ニコロ谷へ出合う場所にレストラン「アル・クロチフィッソ小屋 Malga al Crocifisso」があります。名前のとおり(クロチフィッソ=磔刑の十字架)、隣には立派な礼拝堂が建っていて、その下方の道には「ヴィア・ドロローサ」の各場面を描いた祠が並んでいました。

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アル・コロチフィッソ小屋の礼拝堂内部。写真には写っていませんが、右の壁に中国浙江省青田県出身の孫伯鴻 Giovanni Sun という方の遺影が掲げてありました。当地にどのような関わりのある方なんでしょうか。

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オートキャンプ場を通過。この近くまでミニトレインの便があり、モンツォーニ小屋行きのシャトルタクシーへ乗り継げるようになっている感じでした。

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モンツォーニ小屋から1時間余りでポッツァ村 Pozza di Fassa のメイダ地区 Meida まで下れました。集落の上手に「ファッサ・ラディーン博物館」の分館があります。同様のものを他の村でも幾つか見掛けました。

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なおなおさまから教えていただいた、ディスカウントスーパー「ディーピュー Dpiù」に入ってみました。さすがテレビCMも流している大手チェーンだけあって、激安なのに品揃えもまずまず。我が家は移動日が近いので余り多くを買い込めませんでしたが、ネスプレッソコーヒーの互換カプセル・チーズ・ハム・卵・歯磨き粉など、結構買っても10ユーロでお釣りが来ました。こんな人通りの少ない山奥でよく経営できるなぁと驚きましたけど、家賃が安いところを選んで出店しているのかも知れませんね。

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そのまま歩いてアパートに着いた直後、本降りの雨がやってきました。霰を除けば濡れるほどの雨には遭わずに帰れてラッキーでした。

posted by おーと at 02:31| Comment(7) | ファッサ谷(イタリア)