ブリクセン Brixen(ブレッサノーネ Bressanone)滞在の最終日。午後に山ではごく短時間パラパラと雨が降りましたが、ほぼ終日晴れて暑い一日でした。
フィランダース・アルムのバス停を起点にフィランダースベルクへ登るプランを考えていましたが、前日のハイキングで疲れたため、長距離コースは断念。ロープウェイ利用のハイキングに切り換えました。

前日と同じブレンナー Brenner(ブレンネロ Brennero)峠行きの電車に乗り、同じシュテルツィング Sterzing(ヴィピテーノ Vipiteno)駅で下車。

駅から歩いて村の中心部へ行ってみると、ツヴェルファー塔 Zwölferturm の前後に雰囲気の良い商店街が続いていました。田舎村かと思ったら大間違いで、意外にお洒落な街並みでした。中世には栄えた町だったようです。

なおなおさまから情報を頂戴したとおり、ツヴェルファー塔を潜った先の広場に農産物等の露店が沢山出ていました。毎週金曜にマーケットが立つようです。写真は地元産の林檎ジュースの店です。

村の北外れにある乗場からロスコップフ Rosskopf(モンテ・カヴァッロ Monte Cavallo)行きゴンドラリフトに乗り込みます。1人18.50ユーロの往復切符を買いました。

往復切符を買うと、山上駅から更に別のゴンドラリフト「パノラーマ Panorama」にも乗れます。チェアリフトからリニューアルされたばかりのようで、真新しいゴンドラでした。

ゴンドラリフト「パノラーマ」はロスコップフの山頂直下に着きます。

ゴンドラリフトの山上駅から5分ほど登れば展望台で、ここから見える山々の説明板があります。

展望台から西に見るロスコップフ山頂(写真中央右寄り)。

展望台から北西側の眺め。写真左上の頂がテルファー・ヴァイセン Telfer Weißen(チーメ・ビアンケ・ディ・テルヴェス Cime Bianche di Telves)で、右奥に覗いているのはシュトゥーバイアー・アルペンに属するオーストリア国境のトリブラウン連峰。右下に見える建物群は軽食もできるファルミングアルムの牧畜農家です。

展望台から南東側の眺め。左手前がゴンドラリフト「パノラーマ」の山上駅で、写真中央の谷底がシュテルツィング村。そこから左奥へ延びている谷が前日に行ったプフィッチ(ヴィッツェ)谷です。中央奥はアイザック(イザルコ)谷で、その後方にガイスラー(オードレ)山塊やファーネス山塊等のドロミーティの峰々が霞んで遠望できています。

尾根伝いに歩いてロスコップフの山頂へ。写真左奥にオーストリア国境のエッツターラー・アルペンの峰々が並んでいます。

エッツターラー・アルペン方面のズームアップ。右から順にホッホフィルスト(モンテ・プリンチペ)、リーベナー・シュピッツェ(チーマ・デッラ・キエーザ)、ヒンテラー・ゼーレンコーゲル(チーマ・デッレ・アニメ)、手前のホーエ・クロイツシュピッツェ(プンタ・アルタクローチェ)を挟んで写真中央がホッホヴィルデ(チーマ・アルティッシマ)、左がロートエック(モンテ・ロッソ)です。

十字架の建つロスコップフ山頂(2,189m)まで展望台から5分くらいです。

山頂から眺めるトリブラウン連峰のズームアップ。左から順にプフレルシャー・トリブラウン、クシュニッツァー・トリブラウン、シュヴァルツェ・ヴァント(モンテ・デルフェーロ)、ネルトリッヒャー・ロスラウフ(イル・カヴァッロ)、オーベルンベルガー・トリブラウンです。

展望台(写真中央左寄り)から登ってきた尾根道を撮ったもの。中央後方の山はロルシュピッツェ(チーマ・ロッレ)で、写真右のプフィッチ谷の奥に見える高峰がヴィルデ・クロイツシュピッツェ(ピッコ・デッラ・クローチェ)。写真左奥はブレンナー峠へ通じるヴィップ谷で、その右後方にオルペラー山群が見えています。

オルペラー(写真中央)のズームアップ。右はホーエ・ヴァント(クローダ・アルタ)で、その左奥に覗いている尖峰がシュランマッハーです。

ゴンドラリフトが通じているロスコップフの東斜面はスキー場に最適そうな広々とした草原ですが、西側は急角度で切れ落ちています。嫌がるカミさんを「その下までだと思うから」と言って下らせました。眼下はリドナウン(リダンナ)谷です。

最初の急坂を下ったところから振り返って見上げたロスコップフ山頂。

テルファー・ヴァイセンに向かって尾根道が続いています。

ところがその後も痩せ尾根の登り下りが続き、高所恐怖症のカミさんの怒りが頂点に達しました。写真は歩いてきた尾根を振り返って撮っていて、左奥の黒く見えている頂がロスコップフです。

急峻な岩峰をトラバースするところもありましたが、ここまで来れば先へ進むしかありません。

24番のコースでグルーベン湖 Grubenlacke(写真中央)の畔を通り、写真右の緑の尾根の先にあるロッター峠 Lotterscharte まで登ってからゴンドラリフトの山上駅へ下るつもりでしたが、そちらへの分岐を見落として尾根伝いに進んでしまいました。

尾根上の小さな池(グルーベン湖ではありません)を通り過ぎ、テルファー・ヴァイセンの山腹に見える道を登りました。テルファー・ヴァイセン山頂への登山道(23番のコース)だとは気付かずに…。

コースの誤りに気付いた時には既にテルファー・ヴァイセンの肩近くまで登ってしまっていました。東尾根の上から北側の眺望が開け、トリブラウン連峰をはじめとするオーストリア国境の峰々が眺められました。ロスコップフ山頂からここまで2時間弱でした。

トリブラウン連峰のズームアップ。

トリブラウン連峰の左(西)には白い三角帽子を被ったようなヴァイスヴァントシュピッツェ(パレーテ・ビアンカ、写真中央左寄り)。その左隣はシャーフカンプシュピッツェ(チーマ・デッレ・ペコレ)で、右隣はホーアー・ツァーン(デンテ・アルト)。写真右奥はオーストリア領内のハービヒトです。

その更に左手(西方)。写真右奥がフォイアーシュタイン(モンタルソ)連峰、中央奥がヴィルダー・フライガー(チーマ・リベラ)、左の鞍部に覗いているのがゾンクラールシュピッツェ、左端奥がボッツァー(イル・カプロ)です。

尾根から西に望むテルファー・ヴァイセンの山頂(写真左上)。さすがに登頂する元気は無く、ここから引き返すことにします。

尾根から東に望むツィラーターラー・アルペンの峰々。左がオルペラー、中央奥がホッホファイラー(グラン・ピラストロ)方面です。

上記中央部分のズームアップ。左のロルシュピッツェの背後がホッホフェルナーで、その右にホッホファイラーとホーアー・ヴァイスツィント(プンタ・ビアンカ)が連なっています。写真右奥の峰はグラープシュピッツェ(チーマ・グラーヴァ)です。

草原に座り、グルーベン湖やロスコップフ(写真右)を見下ろしつつ、持参した手作りサンドウィッチを食べました。

オクセン峠 Ochsenscharte まで戻ったところで、歩く予定だった道への分岐も確認できましたが、再度登る元気は残っていませんし、北側のオーストリア国境方面を眺めるという目的自体は達成したので、そこから尾根の南斜面へ下って帰路に就きました(23番のコース)。

写真左上奥の頂がロスコップフ山頂です。写真右に見えているレストラン「クーアルム Kuhalm」に立ち寄って休憩することにしました。

テルファー・ヴァイセンの東尾根から1時間余りで「クーアルム」に到着。テラス席でビール(カミさんはラドラー)を飲みましたが、子供が隣の遊具で遊び回っていたため、カミさんは「気分が休まらない!」と引き続きおかんむりでした…。

快適な山腹のトラバース道を進みます。写真は歩いてきた方向を振り返って撮っていて、中央の樹林帯の上部に半ば隠れているのがレストラン「クーアルム」。上の頂がテルファー・ヴァイセンです。

右手の眺望を楽しみつつ、ロスコップフの東斜面へ回り込んでいきます。

「クーアルム」から約40分でゴンドラリフトの山上駅(往路で「パノラーマ」リフトへ乗り換えた場所)まで戻ってきました。ここにもカフェが営業しています。

ゴンドラリフトでシュテルツィング村へ下山しました。

シュテルツィング村の商店街を通って駅へ向かいました。中央左の建物は市庁舎のようです。